大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

釧路地方裁判所 昭和55年(行ウ)2号 判決

原告 富塚功

被告 北海道北見方面公安委員会

主文

一  原告の請求を棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  被告が原告に対し昭和五五年二月七日第四号をもつてなした銃砲所持許可取消処分を取消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

二  請求の趣旨に対する答弁

主文同旨。

第二当事者の主張

一  請求原因

1  原告は、被告から左記(イ)・(ロ)の銃砲所持許可を受けていた。

(イ) 散弾銃SKB・銃番号S一九七六一八四・許可番号五〇一五一〇〇二三(以下「本件散弾銃」という。)

(ロ) 散弾銃レミントン・銃番号M六一一五四四レ・許可番号五〇一五二〇一六五

2  ところが、被告は原告に対し、昭和五五年二月七日、銃砲刀剣類所持等取締法(以下「銃刀法」という。)一一条一項により、右各銃砲所持許可の取消処分(以下「本件取消処分」という。)をなした。その理由は、原告が昭和五四年一〇月二日午後四時ころ、北海道常呂郡佐呂間町字浪速藤原水産加工場前空地に駐車中の原告所有に係る普通貨物自動車(北四四そ六二六五号、以下「原告車」という。)内に本件散弾銃一丁を放置し、銃刀法一〇条の三第一項(銃砲の保管義務)の規定に違反したというものである。

3  しかし、原告は、前記日時場所において、原告車内に本件散弾銃一丁をその適合実包二四発とともに格納したまま原告車から離れたものではあるが、それは至近距離を、しかも極めて短時間離れたにすぎず、未だ本件散弾銃に対する原告の事実上の支配ないし勢力は及んでいたから、保管義務を怠つたものではない。したがつて、前記保管義務違反を理由とする本件取消処分は違法である。

4  よつて、原告は、本件取消処分の取消を求める。

二  請求原因に対する認否

1  請求原因1及び2の事実は認める。

2  同3のうち、原告が、その主張の日時場所において、原告車内に本件散弾銃一丁をその適合実包二四発とともに放置したまま、原告車から離れた事実は認めるが、その余の事実ないし主張は争う。

三  被告の主張

1  銃砲の保管義務について

(一) 銃刀法一〇条の三第一項は、「四条、五条の五又は六条の規定による許可を受けた者は、次条又は一〇条の七の規定により保管の委託をする場合その他正当な理由がある場合を除き、許可に係る銃砲を自ら保管しなければならない。」と規定しているところ、これは、銃砲の保管が適切でないため、銃砲が盗難あるいは家族の者に持ち出されて、犯罪に供用され、また事故の原因になるといつたことが多発したので、銃砲による危害防止の観点から銃砲の所持許可を受けた者に対し、現に使用していない場合の当該銃砲の保管を法的義務として課したものである。

(二) したがつて、右条項に言う「保管」とは、単に銃砲を自己の勢力範囲内に保持するのみでなく、積極的に第三者の支配を排除する程度のもの、すなわち、少なくとも通常の態様では第三者が銃砲の占有を取得することができない状態を確保しておくべきことを意味するものであつて、このことは、同条二項本文において、「前項の規定による銃砲の保管は、堅固な保管設備に施錠して行わなければならない」旨規定されていることからも明らかなところである。また、「正当な理由がある場合」とは、銃砲を現にその用途に供するため携帯又は運搬する場合や修理を委託する場合等自ら格別の保管行為をしないことについて、社会通念上正当な理由があると認められる場合を言うのであり、「自ら保管する」とは、銃砲の所持許可を受けた者が自らの手で直接に銃砲を保管することを言い、右許可を受けた者自身に銃砲の保管義務があることを明確化するとともに、自己以外の者に銃砲を所持させることのないようにする義務も併せて規定したものである。

2  本件取消処分の適法性

(一) 原告の違反態様

原告は、昭和五四年一〇月二日午後四時ころ、北海道常呂郡佐呂間町字浪速藤原水産加工場空地に駐車中の原告車の後部荷台上に本件散弾銃一丁と適合実包二四発を置いたまま、運転席の施錠もせず、付近の湖に磯舟を出し、ホタテ貝の探索、採取をしていたため、狩猟取締中の北見方面遠軽警察署の警察官に、銃刀法一〇条の三第一項、火薬類取締法一一条二項等に違反するとして検挙されたものであるが、その際、原告の乗る湖上の磯舟から原告車までの距離は約八四メートル(湖上約四五メートル)あり、しかも湖畔から約二四・七メートルのところには湖畔に沿つて建てられた水産加工場の建物(長さ二〇メートル余、幅五・四メートル、高さ二メートル余)があつて、原告車は、湖畔側からは右建物に隔てられた地点に駐車されていたものである。

(二) 右違反態様に対する評価

右に述べた原告車の放置状況等から、以下のことが認められる。すなわち、第一に、原告車は前記水産加工場の建物の陰になり、同車に他人が接近しても原告には視認できない。第二に、仮に原告が原告車に他人が接近し車内の本件散弾銃を持ち去ろうとするのに気付いたとしても、湖上から同車まで戻つてこれを防止することは著しく困難である。けだし、原告車は国道から約三五メートルの地点に駐車し、その付近には原告とともに磯舟に同乗していた吉川宙穂所有の乗用車がいつでも発進できる状態で駐車していたからである。第三に、原告がホタテ貝の探索、採取に自己の神経を集中していたことも容易に推認される。かかる状況にあつたことからすれば、原告車内の本件散弾銃に対し、原告の事実上の支配勢力は及んでいなかつたと評さざるを得ないのみならず、原告は、第三者の本件散弾銃に対する侵害行為に対して、迅速、かつ、確実な排除等の対応措置がとれる状態になかつたと言わざるを得ないから、その保管義務違反は明白である。

(三) 原告の保管義務違反に対する評価

銃砲に対する保管義務は、銃砲の有する本来的危険性及びその危害の重大性に鑑みれば、その所持許可を受けた者にとつては、確実な遵守が要求される基本的、かつ、最低限度の義務というべきである。しかも、近時我国における猟銃等の使用及び取扱いに伴う事故並びに犯罪の発生、増加とその凶悪化が顕著にみられることは公知の事実に属し、このような社会情勢にあつて、銃砲刀剣類等に対する取締り及び法規制の強化を求める世論は強く、これに応えるべく、近年では、昭和四六年、同五二年、同五三年及び同五五年と数次にわたる銃刀法の一部改正がなされ、事故及び犯罪による危害の未然防止に向けて努力と関心が払われているところであり、銃砲の保管についても、講習を受講の際、十分注意して厳重にすべき旨詳細に指導されており、原告も同様の指導を受けていたものである。にもかかわらず、原告は、前記の態様で、銃砲所持許可を受けていた者として遵守すべき基本的義務である保管義務を怠つたものであり、右義務違反が、たまたま狩猟解禁日直後における取締中の警察官によつて発見されたため大事に至らなかつたとはいえ、原告には銃砲の所持に関する危険性及び不適格性が存在するものと言わざるを得ない。

(四) そこで、被告は、昭和五四年一二月五日、銃刀法一二条に基づく聴問を実施し、原告からその弁明を聴取したうえで、昭和五五年二月七日、同法一一条一項により本件取消処分を決定したものである。

(五) したがつて、被告が原告の本件保管義務違反を以て、原告に対し銃砲の継続所持を将来にわたり許容することが不当であると判断して行つた本件取消処分は、被告の裁量の範囲内でなされた適法な処分である。

四  被告の主張に対する原告の認否及び反論

(認否)

1 被告の主張1(一)のうち、銃砲の保管が適切でないため、銃砲が盗難あるいは家族の者に持ち出されて、犯罪に供用され、また事故の原因になるといつたことが多発したことは否認し、その余は認める。同(二)の主張は争う。

2 同2(一)の事実は認める。但し、原告がホタテ貝の探索、採取をしていたのは、贈答用として原告らのために特に用意されていたホタテ貝を引揚げようとしていたにすぎず、また、湖上約四五メートルというのも、おおよその距離にすぎない。同(二)の事実ないし主張は争う。同(三)のうち、近時我国における猟銃等の使用及び取扱いに伴う事故並びに犯罪の発生、増加とその凶悪化が顕著にみられることが公知の事実に属し、このような社会情勢にあつて、銃砲刀剣類等に対する取締り及び法規制の強化を求める世論の強い要請に応えるべく、被告主張のとおり、数次にわたる銃刀法の一部改正がなされ、事故及び犯罪による危害の未然防止に向けて努力と関心が払われていることは認めるが、その余は争う。同(四)の事実は認める。同(五)の主張は争う。

(反論)

銃刀法一〇条の三第一項に言う「自ら保管する」の意味は、他人のもとで銃砲を保管すること、すなわち、銃砲を間接的に占有することを排除することであつて、通常の占有状態で足りないとする趣旨ではない。

仮に「自ら保管する」の意味が、被告主張のとおりだとしても、本件の場合、通常の態様では第三者が銃砲の占有を取得することができる状態にはなかつたのであり、ただ、たまたま原告ら三名の狩猟仲間の行動を追尾してきた警察官があつたために、原告らが銃砲を保管していた車両を離れた事実が公けにされたにすぎない。本件現場付近には、当時徒歩で通行する者は全くなく、僅かに付近の国道上を通過して行く車両が何台かあつたにすぎないのである。

第三証拠〈省略〉

理由

一  請求原因1及び2の事実は、いずれも当事者間に争いがない。

二  そこで、以下本件取消処分の適法性について判断する。

1  まず、本件の事実関係についてみるに、被告の主張2(一)の事実は当事者間に争いがなく、この事実に原本の存在及び成立に争いのない乙第三ないし第六号証(なお、原告は、原告、吉川宙穂及び本田文哉の警察官に対する各供述調書である右乙号各証は、いずれも原告らが取調べに当つた警察官から詐言を用いた誘導と脅迫的言辞を加えられた結果、右警察官の言うがままに供述させられたものであつて、違法な手段により収集された証拠であるから証拠能力がない旨主張するが、右警察官による取調べの際、原告らに対し脅迫的言辞が加えられたとする点は、これを認めるに足る証拠がなく、また、原告らに対し詐言を用いた誘導があつたとする点も、原告本人尋問の結果にはこれがあつたかの如き供述部分があるけれども、右供述部分は、成立に争いのない乙第一二ないし第一四号証並びに原本の存在及び成立に争いのない乙第一九号証と対比して措信できず、他にこの点を認めるに足る証拠はないから、原告の右主張はその前提を欠き失当である。)及び第八号証、成立に争いのない乙第九号証、前掲乙第一二ないし第一四号証及び第一九号証並びに原告本人尋問の結果を総合すれば、以下の事実が認められ、前掲各証拠中、右認定に反する記載及び供述部分はいずれも措信せず、他に右認定を左右するに足る証拠はない。

(一)  原告は、友人の吉川宙穂及び本田文哉とともに、狩猟解禁日の昭和五四年一〇月一日、原告車及び右吉川所有の普通乗用自動車(札五六ほ八九六三号、以下「吉川車」という。)に分乗してサロマ湖等へ赴き、各々所持許可を受けていた散弾銃を使用して狩猟をし、翌二日も昼ころから知人が経営する北海道常呂郡佐呂間町字浪速所在の藤原水産加工場前(南側)空地に原告車及び吉川車を駐車させ、船外機付きの磯舟で右水産加工場北側に広がるサロマ湖に出て狩猟をした。

(二)  ところが、原告は、同日午後三時半ころ狩猟を切り上げひととおり帰り仕度を整え終わつた段になつて、右水産加工場の経営者から土産用にホタテ貝を持つて帰るよう勧められていたことから、右水産加工場の建物内を捜したが、これを見つけることができなかつたため、サロマ湖に沈めて保存しているのではないかと考え、吉川らを誘い、再び三名で右水産加工場北側付近の湖畔船着場から前記磯舟に乗り、ホタテ貝が沈めてあると思われるおおよそ四三・五メートルの湖上に出た。

(三)  しかし、その際原告は、ホタテ貝を採取次第引返すつもりであつたため、いわゆるジープ型の原告車内の後部荷台に銃庫を備付けていたのに、本件散弾銃をその中に収納せず、その適合実包二四発とともにそれぞれ専用ケースに入れて右後部荷台上に置いた状態のまま、運転席ドアーの施錠もせず同車を離れた。また、吉川もそれぞれ専用ケースに入れた自己の散弾銃及びその適合実包五四発を開け放した吉川車の後部トランク内に置いた状態のまま、エンジンキーも抜かず、運転席ドアーの施錠もしないで同車を離れた。そして、本田も分解した自己の散弾銃とその適合実包二五発が入つた鞄を右状態の吉川車の後部座席上に置いたままにして湖上に出た。

(四)  そのため、同日午後三時五〇分ころ、いわゆるライトバン車に同乗して狩猟取締の任務に当つていた北見方面遠軽警察署所属の警察官片山正剛、同川本義生は、たまたま前記藤原水産加工場前(同工場の後記建物から南側へ四〇メートル余りのところ)を東西に走る国道二三八号線を走行通過しようとした際、同工場前空地に原告車及び後部トランクが開け放したままの吉川車が駐車されているのを認め、その付近に人影もなかつたことから不審の念を抱き、右各車両に近寄りこれを見分したところ、前記のように吉川車の後部トランク内及び原告車の後部荷台上に一見して銃砲が入つていると分かるケースが置かれたままになつていたうえ、右各車両の運転席ドアーがいずれも施錠されておらず、しかも吉川車についてはエンジンキーが付けられたままの状態となつているのを発見したため、かかる銃砲の放置状況は、銃刀法一〇条の三第一項規定の保管義務違反になると考え、更にその所持者を見つけるべく、右水産加工場の建物内やその周囲を検索したところ、サロマ湖上に乗つた原告らの姿を認めたほかは人影が見当らなかつたことから、原告車及び吉川車の駐車場所に戻つてその帰還を待つうち、午後四時ころ、原告らにおいても、同日午前中に降つた雨の影響で湖水が濁りホタテ貝を見つけることができなかつたうえ、湖畔に右片山らの姿を認めたことから、同所に引返してきた。

(五)  なお、原告らが磯舟に乗りホタテ貝の採取をしていたサロマ湖上の位置から原告車の駐車位置までは、直接距離にして約八四メートル、所要時間(湖上・船外機付磯舟、陸上・徒歩)にして一分足らずであつたが、その間(湖畔から陸上に二四メートル余り離れたところ)には藤原水産加工場の建物(東西二〇・一五メートル、南北五・四メートル、高さ二メートル余)が介在していたため、右湖上の位置からでは、注視しても右建物南北双方の壁に設けられたガラス窓を通して原告車の右側後部付近が一部見える程度で、原告車の様子、特に第三者が同車に近付いてもこれを看取することはほとんどできない状態にあつた。

2  ところで、銃刀法一〇条の三第一項は、銃砲の所持許可を受けた者は、正当な理由がある場合を除き、許可に係る銃砲を自ら保管しなければならない旨規定し、銃砲の所持許可を受けた者に対し、許可に係る銃砲の保管義務を課しているところ、右条項にいう「正当な理由がある場合」とは、銃砲をその用途に供するため使用する場合、使用のため携帯運搬する場合、修理を委託する場合等、銃砲を保管しないことが社会通念上是認される場合をいい、また、「自ら保管する」とは、銃砲の盗難等による危害予防を目的とする同法の立法趣旨に鑑み、銃砲を自らの手で直接自己の勢力範囲内に保持するだけでなく、その勢力範囲内から第三者が通常の方法では持ち出すことができない状態にしておくことをいうものと解するのが相当である。

3  そこで、右の銃刀法一〇条の三第一項の解釈を前提として、前記1認定の事実関係をみるに、原告は、自己所有の原告車内の後部荷台上に本件散弾銃を置き、同車から距離にして約八四メートル、所要時間にして一分程度の地点まで離れたにすぎないから、原告が本件散弾銃を一応自己の勢力範囲内に保持していたことは否定できない。しかしながら、他方、原告は、原告車の駐車する本件現場のすぐ傍に常に車両の往来が予測される国道があつたにもかかわらず、原告車の後部荷台上に外部から一見してその存在が分かる状態で本件散弾銃を置いたまま、運転席ドアーの施錠もせず、少なくとも一〇分程度は同車を離れており、しかもその間、水産加工場の建物に遮られて、同車に第三者が近付いてもその様子をほとんど窺い知ることができなかつた(原告本人尋問の結果によれば、事実原告は、警察官の片山らが原告らを捜して湖畔に現われるまで、同人らに全く気付かなかつたことが認められる。)のであるから、かかる状況に照らすと、原告が原告車を離れていた間、警察官の片山らのように車で本件現場を通りかかつた第三者が原告車に近付き、車内に本件散弾銃が置いてあるのを発見し、施錠のしていない運転席ドアーから車内に侵入して本件散弾銃を持ち去ることはいとも容易な状況にあつたものといえるのに対し、原告がこれを直ちに発見防止することは極めて困難な状況にあつたものといわざるを得ない。原告は、本件当時、本件現場付近を徒歩で通行する者は全くなく、僅かに国道を通過して行く車両が何台かあつたにすぎないから、第三者が通常の態様で本件散弾銃を取得できる状態にはなかつた旨主張するが、仮に本件当時、本件現場付近の人や車両の往来が原告のいうとおりであつたとしても(なお、前掲乙第九号証によれば、原告が本件取消処分に対しなした審査請求事件の審査過程において、昭和五五年五月二九日本件現場付近の検証が行われており、その際同日午後三時六分ころから一六分ころまでの約一〇分間を計測した結果、本件現場傍の国道を通過した車両数は二九台あつたが、歩行者の通行は全くなかつたことが認められる。)、少なくとも車両の通過が何台かあつた以上、そのうちの一台を運転していた第三者が前記のような態様で本件散弾銃を持ち去る可能性が全くなかつたものとはいえないから、原告の右主張は採用できない。

そうすると、原告は、本件当時、本件散弾銃を自ら「保管」していなかつたものと認めざるを得ないのであつて、しかもその理由も、現に本件散弾銃を使用していたからとか、使用のため携帯運搬していたからという訳ではなく、ホタテ貝採取のため、これが保管をしなかつたというにすぎなかつたのであるから、そこに特段社会通念上是認されるような事由も見出し難いものといわなければならない。

4  以上によれば、原告は、銃刀法一〇条の三第一項に規定する銃砲の保管義務に違反したものといわざるを得ない。そして、原告の右違反事由を以つて、被告が銃刀法一一条一項によりなした本件取消処分が、社会通念上著しく妥当性を欠き、銃刀法上被告に委ねられた裁量権の範囲を逸脱し、これを濫用したものと認めるに足りる証拠もないから、本件取消処分は相当であつて適法になされたものというべきである。

三  よつて、原告の本訴請求は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 塩谷雄 春日通良 水谷博之)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例